Web master’s voice in Japanese (6) 2017/7/27

Declining population.

 

日本の人口減少が問題視されています。2015年の国勢調査では総人口は1億2709万人で、ここ数年わずかながら減少を続けているようです。

出生数はベビーブームのころの270万人をピークとして、ここ数年は100万人程度まで落ち込んでいます。女性の合計特殊出生率は1.45で、人口を維持するために必要とされる2.07を大きく下回ったままで、今後は長期にわたって加速度的に減り続け、40年後には8千万人程度まで落ち込むと予測されています。

 

労働力、消費の不足による経済の停滞、GDPの減少、社会保障の停滞、地方の過疎化、国威の衰退、国際的な影響力の低下などが人口減少によるデメリットとして指摘されています。

 

確かに、人口減少の影響は大きそうですが、つい先頃までは人口の膨張、過密が心配され、この列島には8千万人ほどが適当だといった議論がなされていました。

200カ国近くある世界の国々の中で、日本の人口は第10位です。欧州の大国はドイツが最大で83百万、後は5-6千万人の国が多いのです。8千万に減少しても慌てることはなさそうです。

労働力の不足は技術革新の絶好の機会であり、過度な競争も緩和されるかもしれません。

 

そもそも、国威の発揚に世界2位、3位のGDPが必要でしょうか。日本には、この列島の中で何万年にわたって育んできた歴史と文化があり、単一民族、単一言語を基にした“和をもって貴し”とする伝統があります。

このかけがえのない文化を保持して行くことが、国威の発揚につながるのではないでしょうか。

 

ところで、14歳以下の年少人口は1954年に約3000万人でピークに達し、以後は減少に転じ、60年後には総人口の減少につながりました。

換言すれば、今、人口問題を考えることは60年後の日本社会の在り方を選択する大事な行為と言えます。

 

この国の存続に何が一番重要なのか、かけがえのない文化を保持するのだとなれば、それを支える社会、経済力、技術力、万一に備える防衛力も必要でしょう。どんな社会を目指すのか、慎重に検討して行く必要がありそうです。

平成29年7月27日