Web master’s voice in Japanese (3) 2017/3/20
To promote work style reforms
この数年、しきりと「働き方改革」と云うことが注目されるようになってきました。過労死や宅配便の運転手の長時間労働による社会問題などを背景として、政府にも平成28年9月に「働き方改革実現会議」なるものが設置され、例によって各界の有識者と云われる人たちを集めての会議が進んでいます。
長時間労働の是正、不正規労働者の待遇改善、更に、転職が容易となるような労働市場の改革や成果主義の導入による多様な人材の活用を目指す方向などが示されています。
生産性の向上や少子化対策の効果も期待され、また、労働力不足解消の為に外国人の受け入れをたやすくする制度も議論もされています。
私の経験では“仕事のできる人”には二つのタイプがありました。
休日出勤、深夜残業など全く苦にせずに納得のいくまで仕事をするタイプ、
集中力を持って仕事に挑み、残業はしないタイプ。
どちらも立派だと感じていました。
キリスト教の世界では、労働は、人間の犯した原罪に対する罰として与えられた苦労と考えるようです。
しかし、日本では古事記にも描かれている通り、天照大神は稲作や衣作りに精を出しておられました。労働は、古来、上に立つものが率先して行うもので、貴い人間修養の場と捉えられてきました。
自己の体験を振り返っても、働くことの目的は、給与をもらうことよりも、自己の研鑽であり、周囲に認めてもらうことであり、それによって自己満足を得ることにあったような気がします。
残業規制などを設けて健康管理の徹底を測ることも必要かもしれません。
しかし、あたかも働くことは必要悪だと云わんばかりの「働き方改革」は、日本古来の価値観に合いません。
規制の拡充よりも、社員とその家族の成長と安寧に気配りを欠かさなかった本来の経営理念に立ち戻るべきではないでしょうか。
世界経済に占める日本のGDPの比率はこの20年で17%から6%弱へと急落しています。
今こそ、頑張らねば、経営理念どころか、社会の秩序も、歴史も、文化も、平和な暮らしも失われかねません。
今こそ、勤勉に働くべき時です。
また、労働力不足の今こそ生産性を向上させる絶好の機会です。
既に百万人を超えている外国人労働者にこれ以上安易に頼るのでは、発想が逆行していると思わざるを得ません。
平成29年3月20日