web master’s voice in Japanese 2018/12/26
平成とはどんな時代だったのか
平成最後の年の暮れがやってきました。昭和天皇の御崩御で幕を開けた三十年前の平成元年は、劇的な出来事が相次いだ年でした。今もかまびすしい議論が続く消費税が初めて導入され、6月には天下を騒がす天安門事件が発生、更にベルリンの壁が崩壊して東西冷戦が終わりを告げました。年末には日経平均株価が史上最高値の38,915円を付けましたが、バブル崩壊とそれに続く“失われた20年”が忍び寄っていました。
劇的な幕開けをした平成の30年間を振り返ってみると、
共産主義国家の終焉とそれに変わるグローバリズムの浸透、
AIの劇的な普及と急速な進歩、
少子高齢化と個人主義の蔓延、
更に、日本に焦点を当てると、
中国、北朝鮮の急激な軍拡への対応、
相次ぐ災害と原発事故、
メディアの信用失墜と影響力の低下、
企業不祥事と日本型経営の危機
などが目につく時代でした。訪日観光客が3千万人を超え、外国人労働者の受け入れ拡大を続ける一方で、海外における日本伝統文化に対する評価の高まりが、次第に鮮明になった時代でもありました。
平成25年には和食が世界の無形文化遺産に登録されましたが、この前後から、アニメの人気やクールジャパンと呼ばれる日本人の生活様式などが注目を集めるようになっています。平成28年の伊勢志摩サミットでは、G7の首脳が揃って伊勢神宮を訪問しました。神道は軍国主義の背骨と見なして、神道指令を発してその撲滅を図った終戦後のGHQの姿勢からは想像し難いほどの変化です。
思えば、平成は、外国人が日本の良さを教えてくれた時代でした。新しい年号の時代には、グローバリズムの大波を押し返して、日本人こそが日本の良き伝統、生活様式、歴史を正しく評価し直して、更には、伝統を大切に守り通す人々に光が当たる時代としたいものです。